女と口を狙え。日本マクドナルド創業者が実践した「ユダヤの商法」
復刊がベストセラー『ユダヤの商法』より #1
■口を狙え
女性用品はたやすく儲かるが、これを扱うにはある程度の才能が必要である。商品の選択からセールスまで〝商才〟が必要だ。
しかし、ユダヤ商法の第二の商品である『口』は、凡人でも、凡人以下の才能しかない人でもできる商売なのだ。『口』──つまり、『口に入れるものを取り扱う商売』のことである。
例えば、八百屋、魚屋、酒屋、乾物屋、米屋、菓子屋、くだもの屋が、そうであるし、それらの食品を加工して販売する、料理屋、飲食店、レストラン、バー、キャバレー、クラブのたぐいもそうだ。極言すれば、口に入れるものであれば、毒薬でもかまわない。口に入れるものを扱う商売は、必ずお金が入ってくるし、儲かる商売なのである。
口に入れるものを取り扱う商売が儲かることは、科学的にも説明できる。
口に入ったものは、必ず、消化され、排出される。一個50円のアイスクリームも、一枚1000円のビフテキも、数時間後には廃棄物となって脱糞される。つまり、口へ入れられた〝商品〟は、刻々と消費され、数時間後には次の〝商品〟が必要になってくる。売られた商品がその日のうちに消費され、廃棄されていく。こんな商品はほかには存在しない。土曜日も日曜日も、一日の休みもなく稼いでくれるのは銀行預金の利息と、この『口に入れる商品』だけだ。だから、確実に儲かる。
といっても、口に入れる商品は、女性用品ほど、たやすく儲けることはむずかしい。ユダヤ商法で、女性用品を『第一の商品』とし、口に入れる商品を『第二の商品』としている理由もここにある。
ユダヤ人につぐ商才を持つ、といわれている華僑に、この第二の商品を扱う人が多い。ユダヤ商人が自らを「華僑より商才がある」としているのは、ユダヤ商人の多くは、第一の商品を取り扱っているからなのである。